【きつきの子育て】杵築市立大田こども園に取材してきました!

更新日:2023年12月22日

杵築市大田地区に、保護者や地域の人々に愛されているこども園がある、との情報を得て、取材に行ってきました。

 

県道から一本脇に入った、田畑や山に囲まれたのどかな景色の中にある、白と茶色の外壁のキレイな建物が「杵築市立大田こども園」です。

大田こども園外観

園内に入って一番に思ったのが、併設している庭園が広い…!だだっ広い…!

幼児の足だと、端から端まで走ってもかなりの時間かかるのでは?というくらいのスペース感です。

大田こども園庭園

庭園には鉄棒やすべり台などの遊具もあり、こどもが伸び伸びと遊び回れそうだと思いました。

一角にはちょっとした家庭菜園の畑もあり、季節ごとに色んな野菜を植えたり収穫したりするそうです。

さて、建物の中に入ると、木目調のナチュラルテイストな内装で、温かみを感じます。

すれ違う先生たちやこどもたちはみんな「こんにちはー!」と挨拶してくれて、わいわい楽しそうな雰囲気でした。

大田こども園玄関

広々とした玄関

大田こども園

お昼の準備はみんなでやります。

 

0歳から5歳まで合計14名のこどもたちが在籍し、年齢ごとでクラスは分かれているものの、少人数のため合同で活動することも多いそうです。

保育教諭は全部で7名ですが、シフトに合わせて代わる代わるに入られるとのこと。

 

お邪魔したのがちょうどお昼時で、みんなでお昼の準備をしているところでした。

大田こども園給食1
大田こども園給食2

この日の献立は、肉じゃがに春雨サラダ。

給食は園の調理師さんができるだけ地産のものを使って調理する、とのことでした。

地域の人から差し入れの野菜を使ったり、こども園に通う農家の親御さんの所から仕入れたりもするそうです。

まさに地域密着型ですね!

おやつも完全手作りのものを出しており、月1~2回はクッキングの時間を設けて皆で作って食べたりすることも。

大田こども園こんだて表

栄養バランスを考えて作られた献立表

 

園から徒歩2~3分の位置には市立大田小学校があり、そちらとの交流も盛んで、午後、学童に来ている小学生のお兄さん、お姉さんが遊びに来てくれるのだそうです。

5歳児クラスは小学校の活動にも参加し、児童集会に行ったり、毎週図書館に本を借りに行ったり、なわとび大会に参加したりなど、小学校との連携も密なのだとか。

小学校がどのような所か、入学前から体験できるのは、こどもたちにとっても安心できてすごく良いことですよね。

大田小学校校門

こども園からすぐ近くの大田小学校

大田小学校校庭

小学校の校庭も広大…!

 

以前は大田の学区内のこどもしか大田小学校に入学できなかったのですが、地域の保護者やふるさと協議会からの声で、杵築市内であればどこからでも通えるようになったとのこと。

 

こども園のお友達とそのまま同じ小学校に通えるのはとても嬉しいことですが、その分、狭いコミュニティーの中で一度関係性が悪化すると、そこから逃げ出せなくなることになる可能性を考え、先生方はその辺りも考えながら保育を行っているのだそうです。

 

少人数での保育は、大人の目が行き届いてきめ細やかなケアができるのが良いところですが、少人数ゆえに起こるデメリットにもしっかりと目を向けていらっしゃるのが印象的でした。

 

とはいえ、やはり大田こども園のこどもたちは伸び伸びと、穏やかに過ごしているように思いました。

大田こども園4
大田こども園5
大田こども園6
大田こども園12

大田こども園の評判は口コミで広がっており、杵築市内や山香地域、お隣の豊後高田市からもわざわざ通っている子もいるのだとか。

 

それについて園長先生は、「特に私たちは何もしていない、保護者と地域に助けられている」と仰います。

 

確かに他の園と比べて、特に突出した特徴や教育の取組みはないのですが、私が感じたのはとにかく先生方の人柄が良いこと!

 

こどもたちの立場になって一緒に遊び、こどもの意見を尊重し、保護者に寄り添って一緒に見守る。

よくありそうなことですが、忙しく余裕のない毎日の中ではなかなか実践するのは難しいのではないかと思います。

 

園長先生は「大人の枠にはめるような保育ではなく、こどもたちが自分らしくいられて、周りがそれを認め合う関係性をつくりたい」と仰っていました。

まさにその通りで、園ではこどもたちが自分で考え、行動し、発言する、といった場面をよく見かけました。

大田こども園8

ファッションショーで使う衣装をデザイン

大田こども園7

使った後は自分で後片付け

 

園長先生が素敵なエピソードをお話してくださったので、紹介します。

 

卒園制作でみんなでこども基地を作ることになり、大方の設営が済んで残すはペンキ塗りだけとなったある日、職員室にいた園長先生の元にひとりの園児が来て「こっちに来て」と言いました。

その時ちょうど作業をしていた園長先生は「はーい、これが終わったらすぐ行くからちょっと待ってね」と言いましたが、その子は「先生が今していることより大切なことだから、今すぐ来てください」と言ったそうです。

 

何事かと思いすぐに駆け付けると、あと少しで完成だったはずの基地の窓の下がビリビリ破けてしまっていました。

こどもたちの顔を見ると、破いてしまった子は「しまった…」という顔をして、肩を落としていました。

まずは「誰も怪我しなかった?」と聞いた園長先生でしたが、続いて「だから窓から出入りしたらあかんと言ったやろ?」と言いかけたその時、ある子が「先生、○○君だけが悪いんじゃないよ、だってみんな同じように窓から出入りしてたよ。たまたま○○君が出た時に壊れてしまっただけやから、みんな悪いんだよ。」と声を上げたそうです。

「やってしまったことは仕方ないけど、じゃあこれどうしたらいいかな?」と園長先生が問いかけると、園児たちはみんな立ち上がり、「壊れたところをガムテープで貼ったらいいかな」とか、「また窓から出入りして壊したらダメだから、入らないで、貼り紙をしよう!」と自主的に動き出したそうです。

誰が悪い、と責めるのではなく、公平な目で意見したり、問題が起きた時に自分たちで考えて動けるなんて、大人でも出来ないようなことをこどもたちができていた、という話を聞いて驚くとともに、とても感動したエピソードでした。

大田こども園通信

その時の様子を、園長先生が感動して書き綴った通信

 

園長先生は、大田の良いところとして、住民のみんなが個性豊かで、お互いに認め合って協力して暮らしているところ、と仰っていました。

まさにこども園が実践する育児の在り方のようで、とても腑に落ちた気がしました。

 

保護者の方から話を聞くと、「先生方には親戚のようにこどもを育ててもらった」という声や、「何の不満もない。保護者が甘やかされています笑」といった声がありました。

 

地域の方々にも愛されており、庭園に木を植えてくれたり、近所の方が園に来てくれて英語を習ったり、など地域との関わりもたくさんあるそうです。

保護者や地域との関係がとても良いのは、大田こども園の大きな魅力のひとつだと思います。

豊かな自然と、温かい人たちに見守られながら、伸び伸びとやさしい子育てをしたい人にはとてもお勧めしたい園だと思いました。

大田こども園10

1歳から100歳までのろうそくグラフ

大田こども園11

一番先は、近所に住む100歳のふみさん!

大田の風景

広大で豊かな自然がたっぷりの、大田の里山風景

 

大田こども園では、1か月単位でお試し入園ができますし、園の見学も随時受け入れているそうです。

見学の申し込みは、直接園の方にお電話してください。

入園の申し込みは杵築市役所の福祉事務所子育て支援室までお問い合わせください。

 

■大田こども園
住所 杵築市大田石丸1433-1
電話 0978-52-2078
月曜~金曜  8時00分 ~ 18時00分
土曜  8時00分 ~ 18時00分

 

■福祉事務所 子ども子育て支援室 子ども福祉係
住所 大分県杵築市山香町大字野原1010-2
電話 0977-75-2408
月曜~金曜  8時30分 ~ 17時00分

この記事に関するお問い合わせ先

協働のまちづくり課

〒873-0001 大分県杵築市大字杵築377番地1
電話番号:0978-62-1814
ファックス:0978-63-3833
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