「杵築市における部落差別等あらゆる差別をなくし人権を擁護する条例」を改正しました

　「杵築市における部落差別等あらゆる差別をなくし人権を擁護する条例を改正する条例（平成31年杵築市条例第8号）」については、平成31年3月19日に平成31年第1回市議会定例会で原案可決され、3月26日に公布され、同日から施行されました。

　近年、情報化の進展による状況の変化に伴い、インターネット上での差別書き込みや電子版「部落地名総鑑」の問題など新たな差別事象が発生しています。このような中、2016年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律（障害者差別解消法）」、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」（ヘイトスピーチ解消法）」、「部落差別の解消の推進に関する法律（部落差別解消推進法）」、いわゆる差別解消三法が施行されました。

　この三法の施行を受け、杵築市では、三法の理念を踏まえ、既存の「杵築市における部落差別等あらゆる差別をなくし人権を擁護する条例」の一部を改正しました。

　主な改正内容としては、地方公共団体の責務と主体性（第2条）、相談体制の充実（第4条）、教育及び啓発活動等の推進（第5条）等を盛り込みました。

条例抜粋

第1条

（目的）

　この条例は、すべての国民に基本的人権の享有を保障し、法の下の平等を定める日本国憲法及び部落差別の解消の推進に関する法律（平成28年法律第109号）をはじめとする差別の解消を目的とした法令の理念にのっとり、部落差別、障がいのある人への差別、外国人への差別等（以下「部落差別等」という。）あらゆる差別の解消を推進し、人権の擁護を図ることにより、差別のない明るい地域社会の実現に寄与することを目的とする。

・第1条（目的）に、個別法の制定等を踏まえ「日本国憲法の理念」の後に、「部落差別解消の推進に関する法律（平成28年法律第109号）」や「障害のある人、外国人への差別等のあらゆる差別の解消の推進を目的とした法令」のことを加えることで、本条例があらゆる差別の解消につながるようにしました。また、差別のない平和な明るい社会を明確にするため「差別のない」を付け加えました。

・第2条（市の責務）に、法律には役割分担及び連携について記載されているため、「役割分担や連携」を追加することにより、国や県と連携を密にし、より施策の推進を図っていくことを付け加えました。

・第4条（「相談体制の充実」）を新たに追加しました。法律にもあるように、部落差別をはじめとするあらゆる差別に関する相談に的確に応じ、相談体制の充実に努めるようにするために新たに追加しました。
　　　
・第5条（教育及び啓発活動等）については、見出しを変更することにより、市の施策を明確にしました。また、条例名が「・・・人権を擁護する条例」となっているため、文中に「人権擁護」を加え活動等を明確にし、わかりやすくしました。

　杵築市では、すべての国民に基本的人権の享有を保障し、法の下の平等を定める日本国憲法の理念及び同和対策審議会答申の精神、さらに2016年に施行された「部落差別の解消の推進に関する法律（部落差別解消推進法）」、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律（障害者差別解消法）」、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」（ヘイトスピーチ解消法）」、いわゆる差別解消三法に基づき、市民の責務、市の施策その他部落差別撤廃・人権擁護に関し必要な事項を定めることによって、部落差別撤廃・人権擁護を図り、もって平和な明るい地域社会の実現に寄与することを目的とした「杵築市における部落差別等あらゆる差別をなくし人権を擁護する条例」を改正しました。
　この条例を基に、現在、杵築市が推進する「人権が尊重されるまちづくり」（杵築市総合計画）の更なる推進を図り、部落差別等あらゆる差別の解消に向けた取組をより効果的に推進し、 市民の皆様とともに、「市民一人ひとりが相互に人権を認め合い、真に豊かでゆとりある社会の構築に、あらゆる人々を対象に実施し、人権をあたりまえの習慣、文化として、日常生活に定着させ、すべての市民が人権尊重の精神を踏まえた行動をすることができる社会」の実現をめざして、各種施策に取組んでまいります。

　皆様のご理解とご協力をお願いします。