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アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律

更新日:2020年02月01日

「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」が施行されました。

 アイヌの人々は、古くから北海道などに居住していた民族で、自然と共生し固有の言語であるアイヌ語や伝統儀式、固有のアイヌ模様等、豊かな文化を発展させてきました。
 しかし、明治維新後の「北海道開拓」の過程における同化政策により、政府はアイヌの人々に対して、アイヌの生活習慣や様式を無視して日本語の使用や日本式の姓名を名のることを強制しました。その結果、アイヌの人々の経済状況や生活環境、教育水準等は、他の人々と格差が認められるほか、結婚や就職等における偏見や差別の問題が生じています。
 このような中、令和元年5月に「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」が施行されました。
 本市においても、アイヌ固有の文化や伝統に対する正しい認識と理解を深め、人権尊重の観点から民族の尊厳を尊重する社会の実現を目指し、人種や民族、国籍を問わず、すべての人が安心して自分らしく生きることのできる社会を皆で実現していきたいと考えております。
   
  

アイヌの歴史

 アイヌの人々は、古くから北海道を中心とした地域に住んでいた先住民族で、自然の豊かな恵みを受けて、固有の言語や伝統的な生活習慣など、独自の生活と文化を築きあげてきました。

 鎌倉時代以降、和人(アイヌの立場から見たアイヌ以外の日本人)が北海道との交易を盛んに行なうようになり、江戸時代には松前藩が蝦夷地(現在の北海道)をいくつかに分割しました。主だった家臣にアイヌとの交易を認め、それを商人に委ねたことにより、アイヌの人々は商人の横暴と搾取による苦しい生活を余儀なくされました。

 明治に入り、政府は蝦夷地を統治下に置き、北海道と改称し、大規模な移住による開拓を進めました。近代的な土地所有制度の導入により、アイヌの人々は狩猟などの場を失っていき、さらには民族独自の文化の制限・禁止が、アイヌ語を話す機会の減少につながり、その文化は失われる寸前になりました。多数の和人の移住はアイヌの人々を被支配的立場に追い込み、さまざまな局面で差別の対象になっていきました。

 明治半ばになると、政府はアイヌの人々の厳しい生活状況の改善を目的として、明治32(1899)年に「北海道旧土人保護法」を施行しましたが、あらゆる面で十分な改善に至りませんでした。

近年におけるアイヌに関する主な動き

・昭和63(1988)年

 ○ウタリ問題懇話会が「北海道旧土人保護法」の廃止と「アイヌ新法(仮称)」制定の必要性を答申
 ○知事・道議会・ウタリ協会の三者が一致して国に要請

・平成 9(1997)年

 ○「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」制定
 ○「北海道旧土人保護法」、「旭川市旧土人保護地処分法」廃止

・平成20(2008)年

 ○「アイヌ民族を先住民とすることを求める決議」衆参両院で採択

・平成21(2009)年

 ○「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が内閣官房長官に報告書を提出

・平成22(2010)年

 ○「アイヌ政策推進会議」開催


出典:「アイヌ民族を理解するために」
北海道環境生活部アイヌ政策推進室より一部抜粋

現状と課題

 現在、アイヌの人々は、北海道を中心に日本中で暮らしています。近年ではアイヌの人々の生活状況は徐々に改善されてきていますが、道民・国民全体との格差は依然として大きいままです。また、「アイヌであると指摘され馬鹿にされた」「アイヌを理由に交際、結婚を断られた」など、今なお差別や人権侵害が存在している実態があります。

 本市では人権施策基本方針において、アイヌの人々に対する偏見や差別意識の解消を図るとしており関係機関と協力し、教育啓発をする必要があるとしています。

 アイヌの人々の人権問題は、北海道に住む人たちだけの問題ではありません。市民一人ひとりに関わることとして考えていきたいと思います。
                

         

関連サイト

相談窓口のご案内

公益財団法人 人権教育啓発推進センター:アイヌの方々のための相談専用フリーダイヤル

電話番号 0120‐771‐208 (平日午前9時分から午後5時分まで)

みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)

 電話番号 0570‐003‐110 (平日午前8時30分から午後5時15分まで)

当市の取り組み

  杵築市では、市民の皆様とともに、一人ひとりがアイヌの人々の人権問題について正しく理解し、偏見や差別をなくしていき、「市民一人ひとりが相互に人権を認め合い、真に豊かでゆとりある社会の構築に、あらゆる人々を対象に実施し、人権をあたりまえの習慣、文化として、日常生活に定着させ、すべての市民が人権尊重の精神を踏まえた行動をすることができる社会」の実現をめざして、各種施策に取組んでまいります。
 皆様のご理解とご協力をお願いします。

この記事に関するお問い合わせ先

人権啓発・部落差別解消推進課

〒873-0002 大分県杵築市大字南杵築338番地1(杵築市隣保館内)
電話番号:0978-62-4799
ファックス:0978-62-4799
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